めキャベツの美!発見!!ノート

【めざせ首都圏美術館制覇!】美術好きな大学生が、美術の新たな発見を求めて、美術館や本の気づきを記録するノートです。

注目作品を一気見!【ロンドンナショナルギャラリー展②】

今回は、

ロンドン・ナショナル・ギャラリー展で、

私が注目した作品を紹介したいと思います!

 

カルロ・クリヴェッリ

《聖エミディウスを伴う受胎告知》

f:id:me_cabbage_art:20200914235515j:plain

引用元:https://www.nationalgallery.org.uk/paintings/carlo-crivelli-the-annunciation-with-saint-emidius

大天使ガブリエルが聖母マリアに懐妊を

伝える場面です。

ポイントは、ガブリエルの隣にいる、

街の模型を抱えている聖人エミディウス。

受胎告知が主題の絵に、

ガブリエルとマリア以外の人物が

描かれていることは、

絵画としては稀なのです。

また、神聖な受胎告知が、

人が行きかう街中で行われているのも特徴的。

 

その理由は、この絵のもう1つのテーマに

自治権のお祝い」があるから。

 

この作品は、1482 年に

アスコリ・ビチェーノという町が、

自治権を認められたことを祝うものでした。

 

つまり、エミディウスは街の守護聖人であり、

抱えた街の模型はアスコリであるのです。

画面下の「LIBERTASECCLESIASTICA」

という文は、アスコリ自治権を示す称号。

アーチ状の橋の上にいる二人の男は

自治権獲得の知らせを受け取っています。

 

画面内には、自治権のお祝いを表す

モチーフが沢山描かれているのですね。

 

キリスト教の主題を、

街の1大イベントに取り入れる、

この手法、なんだか現代でいう

「コラボイベント」

みたいではないでしょうか?

人気のキャラクターを町のイベントと

コラボして、街の活性化を図る、みたいな......

 

● ● ●

 

アンソニー・ヴァン・ダイク

《レディ・エリザベス・シンベビーと

アンドーヴァー子爵夫人ドロシー》

 

f:id:me_cabbage_art:20200915205354j:plain

引用元:https://www.nationalgallery.org.uk/paintings/anthony-van-dyck-lady-elizabeth-thimbelby-and-her-sister

ヴァン・ダイクはフランドル出身で、

17世紀前半、

イギリス宮廷画家として活躍しました。

当時イギリスでは、

貴族が自らの豊かさを誇示するため、

豪華で華やかな肖像画を描くことが

流行りました。

 

ジョゼフ・ライト・オブ・ダービー

《トマス・コルトマン夫妻》

f:id:me_cabbage_art:20200915205620j:plain

引用元:https://www.nationalgallery.org.uk/paintings/joseph-wright-of-derby-mr-and-mrs-thomas-coltman

一方、こちらは

18世紀に新興の資本家や地主の間で

流行した肖像画です。

キャンバスのサイズは小さく、

乗馬のワンシーンを切り取ったかのような

臨場感のある描き方がポイント。

ヴァン・ダイクの肖像画では、

姉妹は目を合わせず緊張感を感じますが、

こちらは夫婦が会話をしているようで、

穏やかな雰囲気ですね。

 

このように、時代背景を考えながら、

肖像画を比較するのはとても

面白かったです。

 

皆さんは、もし肖像画を描いてもらうなら、

どちらの画風がお好みですか?

 

● ● ●

 

バルトロメ・エステバン・ムリーリョ 

《幼い洗礼者ヨハネと子羊》

f:id:me_cabbage_art:20200915211155j:plain

引用元:https://www.nationalgallery.org.uk/paintings/bartolome-esteban-murillo-the-infant-saint-john-with-the-lamb

幼い少年の姿で描かれた洗礼者ヨハネ

約360年前の作品ですが、

現代の私でも「かわいい!」と

分かるほど、時代を超えた

可愛らしさが伝わってきます。

 

バルトロメ・エステバン・ムリーリョ 

《窓枠に身を乗り出した農民の少年》

f:id:me_cabbage_art:20200917091819j:plain

引用元:https://www.nationalgallery.org.uk/paintings/bartolome-esteban-murillo-a-peasant-boy-leaning-on-a-sill

こちらは

ロンドン・ナショナル・ギャラリー展で

見ることが出来る

ムリーリョのもう1つの作品。

無邪気に笑う少年。

こちらも可愛らしく、

より子供らしさが表現されています。

 

ムリーリョは子供のあどけなさを

表現するのがとても上手ですね!

 

● ● ●

 

ジョセフ・マロード・ウィリアム・ターナー

《ポリュフェモスを嘲るオデュッセウス

f:id:me_cabbage_art:20200915211701j:plain

引用元:https://www.nationalgallery.org.uk/paintings/joseph-mallord-william-turner-ulysses-deriding-polyphemus-homers-odyssey

英雄オデュッセウスが巨人ポリュフェモス

を倒し、島から去るシーンです。

しかし、

肝心な巨人の姿はぼんやりしており、

鮮やかな色使いや豊かな光の表現

の方が、より重視されています。

このようなターナーの風景画の画風は

後の印象派のルーツになりました。

 

132.5×203cmという

大きな作品なので、

臨場感と鮮やかな光の表現

に驚きます。

私は実際に作品の前に立った時、

まるで物語の中に入り込んだような

気分になれました!

 

ピエール=オーギュスト・ルノワール

《劇場にて(初めてのお出かけ)》

f:id:me_cabbage_art:20200915212337j:plain

引用元:https://www.nationalgallery.org.uk/paintings/pierre-auguste-renoir-at-the-theatre-la-premiere-sortie

初めて劇場に来た少女が開幕を待つシーン。

印象派特有の、点描のように

はっきりと描かない筆致のおかげで、

劇場の賑やかな空気が

伝わってきます!

 

以上、注目した作品を紹介させていただきました!

 

● ● ●

 

★ めキャベツの美!発見ポイント★

ロンドン・ナショナル・ギャラリー展は

 様々な時代の名作が勢ぞろい!